アニソンとかのハードコアブートレグを作りたい! - 3.原曲のベースを耳コピして、ハードコアっぽいベースを作る
前回の記事はコチラnonakachin.hatenablog.com
完成品がコチラになります
よ〜し今回はベースを作っちゃうぞ〜。
と書きましたが1から作るわけではなくいい音なってるプリセット使いましょう。Freeformで鳴らすローリングベースは結構自分で作ることが多いのですが、それでも「近い音を探してそこから自分好みにする」方がクオリティも高いし時短にもなります。いつぞやのブログでも書きましたが「プリセットを使うことはサボりでも恥ずかしいことでもない」のでガンガン使いましょう。出来上がってる音のツマミをいじって、ここを動かすとこんな風に音が変わるのか〜とかLFOにこれをインサートしたらこんな風に鳴るのか〜とか勉強になりますし。逆に自分もあの人の音出せる方がカッコいいじゃん。
まずは耳コピ
ひとまず音作りは置いといて耳コピから始めましょう。サビから作ることが多いのでサビのベースの耳コピです。どうやるかと言うと「原曲のベースを聴いてその通りに打ち込む」です。それ以外どうしろというんだ。
しかし色んな音が鳴っている中、ベースだけを聞き分けるのは結構大変。実際この作業が一番"無"に近い感情が湧いてきます。だがそんな作業の手助けになるものも世の中に存在します。ありがとう先人たち。
それがこの聞々(ブンブン)ハヤえもんである。
あまりにも胡散臭いネーミングだが、とりあえず手助けにはなります。
使い方はあまりにも簡単で、曲をハヤえもんに読み込ませてエフェクトからベースの耳コピを選ぶだけ。聴きづらかったらイコライザでベースの帯域をブーストしてあげましょう。EQプリセットに頭の悪そうなネーミングの機能がたくさんあるので、これでベースが聴けます。
そしてありがたいことに1オクターブ上にして鳴らしてくれるので原曲で聴くよりも格段にベースの音が聴きやすいかと思います。
DAWでやるならEQ刺してベースの帯域をブーストさせて他をバッサリカットしたら同じようなことができます。
下準備ができたので、原曲のベースを聴いて裏打ちで打ち込んでいきましょう。音作りはそのあとです。
裏打ちとは言いましたがリリースは伸ばしきらず少し短くしています。今回はこの方がノリがよくなると思っていますが、曲によって色々変えればいいと思います。
ベースの耳コピ、音楽理論とかではないけど「この音なら次に鳴らす音は大体この辺だよな」とか「この進行ならリードで鳴らしてるこの音は合ってないな」とかが漠然とわかるようになってきます。これは本当です。自分で曲を作るときのコード進行の引き出しにもなります。そういう意味ではブートレグ作る際の耳コピはいい練習だと思います。
ベースを作る(プリセットで)
ではベースの音作りをしましょう。何度も言っておりますが1から全部は作りません。いい音が世の中にはたくさんあるので使わせてもらいましょう。いい音を自分好みに変えましょう。今回ベースは3本レイヤーしています。
まずはメインのベース。
あ~~~~プリセット使ってますね。これはいつぞやkors kさんがフリーで配布してたSerumプリセットパックだったと思います。音ゲーのあの曲で使われてるあの音もいっぱい入ってます。そのまま使わず少しUNISONとデチューンを増やしてますね。あとはFXのディストーションを元のプリセットからすこし弄っています。
メインのベースに刺してるものはこんな感じ。
EQで300辺りをブーストしてあげてマルチバンドコンプでゲインとアタックを少し上げています。CamelCrusherで歪ませてFruity Stereo Shaperで左右に広がるステレオ感を出しています。プリセットのStereonize3を使っています。
2本目のベース。
あ~~~~プリセットそのまんま使ってます!これはNhato Serum Bass Essentialsに入っている「BA Reverse 03」をそのまんま使っています!これ刺すだけで鬼のようなローが出るのでサブベースにあたる部分もこれで補ってます。
Nhato Serum Bass Essentialsstore.anagram-s.com
リバースベースに刺してるプラグイン。
EQで低音部分以外カットしてKickstart2でダッキングしています。シンプル!
3本目のベース。
あ~~~~これもプリセット使ってます。Hardcore Producers Soundbank for Spireに入ってるベースのプリセットです。アタック感のある音が欲しかったのでいつもはDonk Machineで簡単なドンクベースを作ってアタック部分を使ったりするのですが、今回はこのプリセットのアタック部分のみを使ってる感じですね。Getty君はすごいな!
Hardcore Producers Soundbank for Spire (incl. 100+ Samples)store.anagram-s.com
アタック部分に刺してるプラグイン。
低音部分はいらないのでカットして4800あたりを少しブースト。Disperserで音をしゃくらせています。
Disperserのオフ→オン。"""しゃくらせてる"""感がわかるかと思います。
この3つをバストラックにまとめて仕上げています。
バストラックに刺してるプラグインはこちら。
マルチバンドコンプでゲインとアタックを調整、Transient Shaperでアタックを持ち上げて一度EQで調整、リミッターをうっすらかけたあと再度EQをかけています。ここの2本目のEQに相当迷いが見えますね。
そしてキックが鳴ったときに音が重ならないようにpeakをトリガーにサイドチェインをかけています。やり方は前回のHHと同じです。
リズム帯と一緒に鳴らしてみましょう。
何かいきなり音楽っぽくなったな!
以上長くなりましたがベースの耳コピと音作りでした。自分で音を作るのもいいですが、まずは理想の音がどうやってできているかを知るためにもプリセットを触ってみるのが近道かもしれません。
次回はいろんな意味でメインのリードを作ります。もちろん、プリセットを駆使して。
アニソンとかのハードコアブートレグを作りたい! - 2.サンプルパックを並べてリズム帯を作る
前回の記事はこちら
完成品がコチラになります。
サンプルを並べてリズム帯を作る
今回はリズム帯を作ります。とりあえず四つ打ちキックとハイハット・ライドシンバルとクラップを鳴らしていきましょう。
自分はキックとか作る知識はないのでこういうのは全部サンプルパックを使っています。一度ガバキックを3xOSC(FLに付属しているソフトシンセ。減算合成方式でUIがバカみたいにわかりやすくて単純)から作ったことがあるのですがガバキックを作れる人に二度と足向けて寝れないくらい苦労したので。 ありがとうサンプルパック。
キック
まずはキック。Nhatoさんのサンプルパックのキックかしら。
Nhato Kick Samplesstore.anagram-s.com
こういうサンプルはプレイリストに直接置いていく人が多い印象ですが、自分はリズム帯を作る時サンプルをチャンネルラックに読み込ませてピアノロールに打ち込んで作っています。ノート打ち込みでもいいんですが、ピアノロールに書いた方が色々細かいことがパッとできるのでピアノロールでやってます。
四つ打ちでドンドンドンドン。ミキサーを見てみましょう。
EQで300くらいをブーストしてあげて、ディストーションで少し歪ませてます。kHs Transient Shaperでアタックを少し持ち上げて埋もれないように、あとはうっすらリミッターをかけています。今回は時間もかけたくなかったのか比較的シンプルです。
エフェクトに関しては正解はないので、個人でこれがいいかな?とかプロの人の真似してみるとか数作って自分の中でとりあえず納得いく感じのを見つけてください。自分も未だに正解はわかっておりません。
ハイハット
次はハイハット(以下HH)。二つともベンジェンスのサンプル使ってますね。
まずはクローズハイハット(以下CLHH)をチキチキチキチキチキチキ。16分で打ち込んでますが8分でもいいと思います。16分で打ち込んでるのは完全にクセです。ベタ打ちに聞こえないようにベロシティを調整してます。
そして古来より「ハイハットは裏打ちだね絶対」と言われているのでオープンハイハット(以下OPHH)を裏打ちで打ち込みます。ツクチーツクチーのHHができました。
こちらもミキサーを。CLHHはシンプル。なんとサイドチェイン用のFruityBalanceしか刺さってません。男前。
OPHHもシンプルです。EQで低音を切ってうっすらとリバーブをかけています。そしてFruity peak controller。
先ほどサイドチェインをかけると記述しましたが、そもそもサイドチェインってどんな処理?って話からします。
CLHHとOPHHが同時に鳴ると音が重なってぼやけてしまうので、OPHHが鳴った時に一時的にCLHHの音量を少し下げてグルーヴ感を与えます。ツクチーツクチーの"チー"の部分を際立たせてノリを良くする感じです。サイドチェインはこのような"指定したものをトリガーにして自動でボリュームを調整する"処理のことを指します。この場合はボリュームオートメーションって言うのかな?まぁいいや!
ひとまずサイドチェインをかけていないHHがこちら
OPHHが鳴ったタイミングで特に何も変化せずCLHHがそのままのボリュームで重なってますね。今回はFruity BalanceのボリュームノブをFruity Peak ControllerのPeakにリンクさせてサイドチェインを行います。
Fruity Balanceボリューム部分を右クリックしてRemote controlからLink to controllerを選択。
真ん中のInternal controllerタブからOPHHのミキサーのPeak ctrl - Peakを選択。
Mapping fomulaでInverted(動きを反転させる)を選択しAccept(ルー語?)。
これでOPHHが鳴ったタイミングでCLHHの音量が下がるようになります。かかり具合はFruity Peak Controllerの「BASE」と「DECAY」でお好みに調整しましょう。
サイドチェインをかける前→かけた後の動画こちら
OPHHが鳴ったところでFruity Balanceのつまみが左に動いて、CLHHの音量が下がっているのがわかるかと思います。
最後にパンの調整。今回は気持ち左に振りました。これでノリのいいHHが出来上がりました。
あとはライドシンバルを表拍で乗せましょう。こちらもシンプル。低音を削ってうっすらリバーヴをかけて空間を埋めます。HHと逆方向、気持ち右寄りにパンを振ります。
クラップ
リズム帯最後はクラップ。リズム帯で一番難しいと思います。リズム帯鳴らすだけなら聞こえるんですがいろんな音鳴らすと一瞬で埋もれてしまうんですよね…
今回はStaminaRecordsサンプルパックのA.Bのclapを使っています。Staminaのサンプルパック、ストアのクローズと共に絶版になってしまったのでどこかのタイミングで再販されないかな…めちゃくちゃ使えるので…
ミキサーのチェック。EQでいらない低音部分をカットして8000くらいを持ち上げて目立つようにしてますね。そのあとディストーションで少し歪ませてます。Transient Shaperでアタックを持ち上げてうっすらリバーブ。すこし広げて空間を埋めようとしてます。ディレイかけてもよかったかも。ヌケのいいクラップの作り方、教えてもらいたいですね。
パーカッション
そして味付けで後ろでうっすらパーカッションを鳴らします。これもA.Bのパーカッションループ使ってますね。これだけでも結構聞こえ方とか空間の埋まり具合が変わります。スチャポコなってるサンプルパックを調整してます。EQでいらないところを切って、ベタで鳴らすのはアレだったのでパンにオートメーションをかけて左右に振っています。
こうして出来上がったリズム帯がこちら
以上、意外と長くなってしまったリズム帯でした。ほぼ無心でやってる作業を文字起こしするとこうなるんだなとなっております。次回はベースの耳コピと打ち込みをしてみましょう。