チラ裏

日々のことを書いたり音楽とかデザインとかゲームの話をしたりします。

DTMを始めるにあたって「音楽を作る人になるんだから、自分で目当ての音が作れるようにならなければ」はもうちょっと後で考えればいい

壱!十!百!千!満点サロメ

youtu.be

御多分に漏れず、見ておりますわ~!

ご無沙汰しております。乃中です。

私事ではありますが2011年からDJとして細々と活動を続けて10年、作曲自体は2017年くらいから細々初めて本格的にやるかぁとなったのはそこから2年後くらい、少ないですがぼちぼち曲を作ったりしています。オタクソングをHardcoreに魔改造したり、自分のメインとしているFreeformを作ったりしています。つい先日のことですがマイメンWILLと主催しているAcid Injectionを自主レーベル化し、自分たちの楽曲を発表する場としての活動も始めました。

soundcloud.com

acid-injection.bandcamp.com

さて、年数の割にはまだまだ作った曲数・場数としては少ないので「自称・まだまだ初心者」と自負をしているのですが、ここ最近周りで「DTM、はじめっか!」となる人を良く見ます。いいことです。そんな人たちに向けて「自分もそこ、引っかかったな~」とか「そういう考え、あったな~」って言うのを「自称・まだまだ初心者」の自分がDTMを今から始めるぞ!って人にTipsとして世の中にとりあえず自戒も込めて置いておこうかなと思った次第です。

※自分が使っているFL Studioを準拠に話を進めていきます。

いい感じのサンプルをいい感じに並べる

FLを買ったぞ~!FLのトライアル版をDLしたぞ~!よっしゃやってみるか~!

 

 

何すりゃいいんだ…?

 

FLの初期画面

そりゃそうだ。何もわからない人が一番最初起動したときのデモソング見て理解できればその人は天才なので今すぐ曲を作って海外レーベルにデモを送るべきです。おそらく数か月後には世界的クリエイターとして記事になっているでしょう。

まずはリズム帯を作ってみましょう。キック・クローズハイハット・オープンハイハット・ライド・クラップを並べると途端に曲ができたみたいにテンションが上がります。すごい。ズッチーズッチーって鳴り始めると本当にテンションが上がります。そこにチャカポコ鳴るパーカッションも置いてみましょう。ほら、もう曲ですよこんなん。Nhatoさんのサンプルパックを鳴らしただけですよこれ。

youtu.be

何よりも「音を鳴らす」。鳴ってないのに作曲わかんね~は当たり前なのでとりあえず、鳴らす。

自分はそうだった(無い人ももちろんいるでしょう)のですが「サンプルパック置きまくるの、曲作るうえでなんかダサいな…あのすごいDJとかコンポーザーは作っちゃうんだろうな…やっぱり作れないとな…」の考えは捨てましょう。サンプルパックは「使っていいモノ」なので遠慮せずガンガン使いましょう。曲を聴いて「あっ!これhogehogeのサンプルパックのn番のkickじゃんwwwみんな使ってんだよな~www」って笑う人はいませんし、その音楽の聴き方はあまりにもミーハーすぎて引きます。

サンプルパック切り貼りしてそれっぽくなるは先日開催した66NightsREAL(ご来場ありがとうございました)で配布されたEPに収録されている「Hungry Bambi(NONAKA+CHIN Bootleg DJ Tool)」でちびっと説明しましょう。

soundcloud.com

この曲の途中とかドロップとかから鳴ってるズンドコベロンチョダブステップっぽい音、全部Virtual Riotのサンプルパックです。自分はダブステップを作ったことがない上に自分で好き好んでドロップズンドコベロンチョ系Hardcoreを聴いてこなかったためインプットもほぼ無いまま「こんなん作ってみてぇ~」の見切り発車で初めて作りあがったのがこの曲です。

先日この手のHardcoreを作らせたら国内で右に出る者はいないであろうGetty君と会って話す機会があったのですが「サンプルパックをいかにして自分の曲としてカッコよく仕上げるかも腕の見せ所」と言う言葉をいただいたので間違いねぇなと。実際Tipsを探していたところGetty君の作曲動画に行きついてめっちゃ参考にしたので。Getty君、本当にありがとう。

youtu.be

立ち上がりでわかんなくてもうや~めた!が一番もったいないですし、まずは置いて鳴るものを鳴らしましょう。

それっぽい音のプリセットを鳴らす

リズム帯並べてこれなら裏打ちベースとか鳴ったらいきなり"""曲"""っぽくなるんだろうなぁ…

そうです。なんかわからんけどいきなり"""曲"""になります。

youtu.be

T-Force Alpha Plusの初期プリセットのTrance Bassを鳴らしただけです。

そしてFLにも優秀なソフトシンセが付属されており、さらに世の中にはありがたいことにFreeのソフトシンセ、Freeのプリセットが山ほど存在します。ありがたくその力を享受しましょう。とりあえずまずは手持ちのものからやってみる。

FLに付属しているソフトシンセのHarmless・Sytrusは作曲を始めたころに非常に世話になりました。今でも世話になります。いい音鳴るんですよ。
Freeのソフトシンセと言えば最近話題のVitalや古株のSynth1、トランスっぽい音が作りたければT-Force Alpha Plusなど世の中にバカほどあります。そしてこれらのソフトシンセのプリセットも世の中にバカほど存在します。

vital.audio

daichilab.sakura.ne.jp

mastrcode-music.de

確かに自分で目当ての音を作れるようになるのが理想ですが、ついさっきFLを起動したばっかりの人間にそれができるわけありません。それは場数を踏んでいけば大なり小なり理解度が上がっていくので、まずは出来上がってるそれっぽい音がツマミがどの辺を向いてるか・このつまみを捻るとこう音が変化するんだとかを積み重ねていった先に作れるようになるはずです。

そして「音が作れないことは恥ずかしいことではない」です。その考えがある限りどんな長さであろうが自分で1曲作り上げることは難しいと自分は考えています。「あっ!これhogehogeのプリセットのn番のベースじゃんwwwみんな使ってんだよな~www」って笑う人はいませんし、その音楽の聴き方はあまりにもミーハーすぎて引きます(2回目)。これらは「使っていいもの」です。ありがたくその力を享受しましょう(2回目)。

耳コピ耳コピ耳コピ

完成している音楽というお手本があるので自分で再現するところから始めたらいいのではないかと思います。そういう意味では自分のスタートがアニソンのブートレグだったので、ベースの耳コピの練習にはなりましたね。

元の曲のベースを聴いて、それと同じ音を自分の手元で鳴らす。それをピアノロールに置く。それをさっきのリズム帯と一緒に鳴らしてみましょう。ほら、もう曲ですよこんなん。

これをやっていくと「なんとなくコードに対して違和感がある音」がわかるようになります。「このメロディにこの音は漠然と合わないな」とか「この音、悪くないな鳴らしてみるか」と感覚でなんとな~くわかってくるようになります。自分は音楽理論とかさっぱりわかりませんが「このコードならこの辺の音だな~」ってのはほんのりわかります。
そして自分の音楽の引き出しに確実になります。コードの展開・メロディの展開・曲そのものの展開、耳コピして鳴らしたものは全て自分の武器になり得ます。

自分で締め切りを作り、その中で「作り上げる」

自分が作曲を始めたころ、LU-I君に色々教えてもらっていました。何曲か作り上げたころLU-I君から言われたのは「2週間で1曲作ってみましょう。その中で自分がどこに時間がかかっているか、どの辺りを作ってるときに進みがいいかわかる。曲作りは無限に続き、正解もないので『妥協しなきゃいけないポイント』もわかります」という言葉。
この言葉は今でも自分の中に深~く刻まれている言葉です。

twitter.com

曲を作り始めると本当に無限に時間がかかり、自分の中で正解も無い中その正解を追い続けるのでマジで一生終わりません。それで完成形が見えず、断念…なんてことがあった方もいるのではないでしょうか。
そういう意味で「自分で締め切りを決めてその中で1曲を作り上げる」のは本当にいい練習になります。「1曲を作り上げる」というのがポイントで、WIP(ワークインプログレス・作業途中)は出来上がった曲としてカウントしません。
作曲を素早く行うために先述の完成されたプリセット・サンプルパックが世の中にバカほどあります。ありがたくその力を享受しましょう(3回目)。

まずは「あるもので作る」

というワケでつらつらと書いてきました。これは「作曲を始めたときにリアルに体感したこと」なので今作曲を始めた人たちにもある程度理解できるないようかと思っております。これをやった後に自分の作った音楽が物足りなくなったら"""音作り"""を始めればいいと思います。まずは1曲作ってみる、その前に音を鳴らしてみる。ハードルはガンガン下げましょう。曲を作ることは「ものすごい労力のかかること」でその「クリエイター」はバカにできません。

自分で音を鳴らすことができればマジでテンションが上がります。手を付けるにはどうしたらいいか…と思っている方の手助けになれば幸いです。